診療報酬獲得に関する取り組み
【診療報酬獲得に関する取り組みの背景】
355名の医師に対するアンケート調査ではPull法/Push法で経皮的胃壁腹壁固定法を全症例実施していない理由としてコストの問題と回答した割合は18% ・経皮的胃壁腹壁固定法を実施したことで「ヒヤリハット」を回避できた経験 経験あり45% ・「ヒヤリハット」の具体例 瘻孔形成期間中の自己抜去69% 瘻孔形成期間中のカテーテルのトラブルによる事故抜去20%という結果でした。
また同アンケート調査で実施した保険適用に関する設問では「PEGの手術手技料に加算で賛同」が243名(68%),「PEGの手術手技料とは別に算定」が41名(11%),「保険適用化には賛成するが詳細は分からない」が59名(17%),「保険適用化に反対」は6名(2%)であり,343名(96%)の医師が保険適用に賛同し,保険適用に向けた活動への協力に関しては336名(95%)の医師から賛成をいただき現在、診療報酬点数獲得に向けた活動を実施しております。
【参考文献】「経皮内視鏡的胃瘻造設術の胃壁固定に関する全国アンケート調査ー鮒田式胃壁固定具開発から20年を経過してー」 鮒田昌貴 在宅医療と内視鏡治療.2011 ; Vol.15No.1:19-27
2021年5月現在、多くの方々のご賛同により、日本消化器内視鏡学会を経由し内保連に医療技術評価提案書(保険既収載技術用)を提出しております。
<提案の概要>
日本消化器内視鏡学会では「消化器内視鏡ハンドブック」(2017年)において胃壁固定に関して「introduce変法では必須」「瘻孔形成前の胃壁と腹壁の解離を防ぎ、堅固な瘻孔形成を促すことができる」「pull/push法においても腹水症例(少量)では腹壁固定が必要」「胃壁固定がなされていない状態での早期事故抜去は、腹膜炎をきたす可能性があり、胃穿孔に準じた対応が必要となる」と記載され学会としてのコンセンサスが存在する。また日本静脈経腸栄養学会(現日本臨床栄養代謝学会)では「静脈経腸栄養ガイドライン」(第3版)【Minds掲載】にて「瘻孔が完成する前の胃瘻カテーテルの事故抜去は汎発性腹膜炎に至ることがあるので、適切な予防策を講じる」「胃壁固定を行っておけば、胃瘻カテーテルが抜去されても汎発性腹膜炎などの重篤な合併症を予防することができる」「特に、Introducer法で胃瘻を造設する場合には胃壁固定を標準的に実施するべきである」と推奨度ランクAⅢ(強く推奨する・症例集積研究や専門家の意見)にて記載され学会のコンセンサスがある。しかし、現在は点数評価されておらず、コストを理由として実施していない施設が存在することが文献により明らかにされていることなどから、「経皮内視鏡的胃瘻造設術」の所定点数に、胃壁固定を実施した場合に算定できる「経皮的胃壁腹壁固定法」の加算点数を望む。
令和4年度診療報酬改定にて胃壁腹壁固定が算定要件となった件
【最新情報】
令和4年度(2022年4月)の診療報酬点数の改正において「k664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 6,070点」の算定要件として、「(1) 経皮的内視鏡下胃瘻造設術を行う場合においては、予め胃壁と腹壁を固定すること。」が加わりました。これにより経皮的内視鏡下胃瘻造設術を行う場合においては胃壁腹壁固定法の実施が診療報酬上で要件化されました。
本決定までの経緯と今後に関しましては本サイトにて改めてご報告致します。
(2022年4月1日)
ぜひ皆さまのご協力をお願い致します。もしご所属の学会や研究会、又は地域の保険医協会等から診療報酬にに関する要望や意見収集が行われましたら、ぜひ経皮的胃壁腹壁固定法の要望をお願い致します。